メルセデス・ベンツの多種多様な車種を題材に、ファッション業界の第一線で活躍するスタイリストが、それぞれのモデルからイメージした装いを表現。今回は、クラシックからモードまであらゆるファッションに精通し、幅広いフィールドで活躍する櫻井賢之さんが、新型「GLC」の無限の可能性を示すファッションストーリー。

direction & styling: Masayuki Sakurai(casico)
photo: Junpei Kato
hair & make-up: AMANO
words & edit: Satoru Yanagisawa

着る服も、向かう場所も、
その人の自由でいい

「ここまでライフスタイルが多様化していることを思うと、もはやファッションもクルマも、その人の人格によって特定のテイストにセグメントする必要はないんじゃないかと思っています。僕はもう20年近く、同じモデルのSUVを乗り継いでいますが、スノーボードなんかに行くときは当然スポーティな格好ですし、オケージョンによってはバリッとスーツを着て運転することもある。

そう考えると、都会的でありながらオフローダーでもあり、走りが楽しく、利便性もあるこの『GLC』こそ、現代に求められるバランス感覚を備えた一台なのではないかと思います。しかも、この新型GLCは、そのすべての要素を高い次元でかなえてくれる。

今回は、まさに“黄金の中庸”ともいえるGLCの振り幅の広さを、テイストの異なる3つのスタイリングで、それぞれの“ハイ”レベルをテーマに表現してみました。

加えて、僕自身がこれまで『ブラック』のSUVを乗り継いできたこと、また自身のスタイルにおいてもブラックをキーカラーにしていることもあり、クルマはもちろん、スタイリングも“ブラック&ホワイト”で統一し、ロケーションもグレイッシュで無機質な建造物を選んでいます。

着る服も、向かう場所も、その人の自由でいい。モノクロ写真ならではの“余白”を生かして、自分ならどんな色をつけるかをイメージしながらご覧いただけるとうれしいです」

【Style 1】
エレガントで力強いエクステリアを
テーラードのシルエットで表現

「新型GLCでまず目を奪われるのが、スタイリッシュでありながら躍動感あふれるエクステリア。そんなデザイン性における魅力を表現するために打ち立てた、ひとつめのテーマが“ハイ・ファッション”です。

伸びやかで力強い、立体的なフォルム。それを服に言い換えるならシルエットということになりますが、それをもっとも体現するのがテーラードです。ジャケットは『アントワープ・シックス』のひとりとして知られるデザイナーが自身の名を冠して発表している『マリナ イー』。構築的なシルエットもさることながら、まるで折り紙のようにあしらわれたラペルにオリエンタリズムを感じさせます。

それに合わせたレザーパンツは『キコ コスタディノフ』。1970年代を彷彿させるフレアシルエットで、服それぞれのフォルムが強調されるような着こなしを意識しました」

「比翼仕立てのシャツは、伝統的なディテールを生かしながら現代的に再構築した、白いシャツだけを展開するジェンダーレスなシャツブランド『ブリエンヌ パリ・ディス』。

エレガントなジョンロブの靴、そしてジャケ・ドローのトゥールビヨン然り、すべてにおいて決してぶれない、確固たる軸をもったブランドを用いることで、“こだわりのある大人”という男性像も表現しています」

【Style 2】
最高峰のテックウエアに通じる
運動性能と走りの楽しさ

「SUVでありながら素早いレスポンスを誇り、モード選択によってスポーツカーのような俊敏な走りも楽しめるのが、このGLCの魅力です。2つめのテーマである“ハイ・パフォーマンス”では、そんなGLCのスポーティな部分をスタイリングで表現しました。

高性能素材によるフーデッドブルゾンとパンツのセットアップは、テック系ファッションの代名詞である『アクロニウム』。近年、多くのアウトドア、スポーツブランドがファッション性を重視したライン、アイテムをリリースしていますが、“ギアっぽさ”が抜け切れていないものも少なくない。

その点、アクロニウムは最高峰のテクニカル素材や技術を駆使しながら、美しくテーパードしたパンツのシルエットから、フードの見え方まで、アプローチの仕方は紛れもなくファッション。いわばギア感覚で着られるハイ・ファッションとして、大人にこそふさわしい一着だと思います」

「スニーカーはコム デ ギャルソンとサロモンのコラボモデル。シャープなアッパーとボリュームのあるソールの組み合わせが、時には俊敏に、また時には柔らかな乗り心地をかなえてくれるGLCの足回りにリンクすると思って選びました。

時計は海洋プラスチックをアップサイクルした、トム フォード タイムピースの『N.002 オーシャンプラスチック スポーツ』。ブラックのケースやバンドがスポーティな装いにマッチします」

【Style 3】
心地よい室内空間を意識して
なめらかなベルベットを

「最後のテーマは“ハイ・コンフォート”。十分な広さを誇る室内空間や、乗る人を心地よく包み込む居住性、そんな快適さを意識したファッションです。

それを服で言い換えるなら、素材の質感やタッチ。よりアルティザナルな服として選んだのが、ハンドクラフトの要素に定評があるロンドン発のブランド『オルヴィ トーマス』です。ベストとパンツにはなめらかなベルベットを用いていて、上質なレザーやリアルウッドを駆使したGLCのインテリアに通じるラグジュアリーさ、そして温かみがあります」

「足元はリラックスさせるために、フラテッリ ジャコメッティのサンダルを。今回はあくまでGLCの魅力を表現することを趣旨としたファッション提案ですが、かかとをしっかりと包み、ホールドしてくれるつくりなので運転もスムーズにこなせます」

PROFILE

櫻井賢之 / Masayuki Sakurai

1971年、東京都生まれ。ファッション誌の編集部員を経て、2001年よりフリーランスのスタイリストとして活動を開始。メンズ、レディースを問わず、雑誌や広告に加え、音楽、芸能、スポーツシーンとマルチに活躍の場を広げている。クラシックからモードまで幅広い知識から構築する、論理的かつ洗練されたスタイリングに定評がある。

ABOUT CAR

GLC 220 d 4 MATIC

ミドルサイズSUV、GLCがフルモデルチェンジ。全長が初代より伸びてリアオーバーハングが長くなったことにより、荷室容量は先代比のプラス50ℓである600ℓへと大幅増加を実現。ヘッドライトとグリルが一体になったフロントビュー、伸びやかで躍動感が満ちるフォルムなど、スポーティなエクステリアも特徴。
GLC 220 d 4 MATIC

※ 車両の仕様・装備は、撮影時点の仕様であり、日本仕様と異なる場合があります。