メルセデス・ベンツのラグジュアリーなEVモデル「EQS SUV」。全長5メートルを超える堂々たるサイズながら、サステナビリティと上質かつパワフルな走りを兼ね備えた、ラグジュアリーを極めた1台だ。そんなEQS SUVで、歴史と自然が調和する栃木県の日光へと向かった。新緑に包まれた山々が織りなす絶景と、日本でも有数のワインディングロードを堪能するために。

photos: Banko Gojo
words: Koichi Yamaguchi

EQS SUVで世界遺産の日光へ

世界遺産に登録されている日光東照宮や二荒山神社など、歴史的に重要な建造物があちらこちらに佇み、日光国立公園には華厳の滝や中禅寺湖、そして雄大な山々など、息を飲むような景観が広がる。

さらに、いろは坂をはじめ、景色の美しさや走ること自体の楽しさという点において、日本でも有数のワインディングロードが山々を縫うように伸びる。今回は、素晴らしい景色とドライビングを堪能すべく、新緑に彩られ、自然の息吹に満ちあふれる夏直前の日光を目指した。

旅路を共にするのは、EQS SUV。全長5メートル超のボディを有し、長いホイールベースも相まって、大人7人が乗車可能なラグジュアリーSUVだ。それでいながら、前後アクスルに搭載された2つの強力な電気モーターと、フロア下に敷き詰められた107.8kWhという大容量のリチウムイオンバッテリーにより、市街地、高速道路、ワインディングロードのすべてにおいて、スポーツサルーンのごとく滑らかでパワフルな走りを約束してくれる。

大型SUVにもかかわらず、大容量バッテリーにより一充電走行距離が最大593km* に及ぶのも、EQS SUVならでは。都心から日光への道のりは約180km。つまり、道中で充電することなく、往復ドライブを楽しめるのだ。今回の旅には理想的な相棒といえるだろう。

* WLTCモードでの一充電走行距離の数値。定められた試験条件のもとでの数値のため、お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)、整備状況(タイヤの空気圧等)に応じて値は異なります。電気自動車は、走り方や使い方、使用環境等によって航続可能距離が大きく異なります。

“未来感”あふれる室内空間

ダイヤモンドステッチが施された上質なナッパレザーのシートに身を委ねると、インストルメントパネル全体がひとつのワイドスクリーンとなる革新的な「MBUXハイパースクリーン*」が眼前に広がる。ドライバー正面の12.3インチディスプレイ、センターの17.7インチタッチディスプレイ、そして助手席正面の12.3インチタッチディスプレイで構成されるそれは、機能性はもとよりデザイン性においても洗練された未来感にあふれている。

 * EQS 450 4MATIC SUVにパッケージオプション設定

その一方で、先進性とラグジュアリーが絶妙に融合したインテリアに、まず心が躍る。インテリアトリムに施されたウッドパネルやレザーなどの設えはメルセデスならではのクラフトマンシップを感じさせる上質さだ。

ちなみに、ゆったりとしたサイズの2列目シートはスイッチひとつで前後へのスライド(130mm)と、リクライニングが可能。電気自動車ならではのフラットなフロアも相まって、リムジンのごとき広々とした空間で極上の移動体験を叶えてくれる。

さらに、左右それぞれに後席用ディスプレイが備わり(パッケージオプション)、Burmester®3Dサラウンドサウンドシステムがもたらす圧倒的なサウンドとともに、YouTubeやNetflixなどお気に入りのコンテンツを楽しむことができる。まさに走るホームシアターと化すのだ。

そして最後にこちらも注目の3列目シート。一般的に3列目シートは補助的に設定されている場合が多いが、EQS SUVのそれは、大人が十分に過ごせる空間が確保されている。これも、新たに開発された電気自動車専用プラットフォームによる恩恵だろう。前述のとおりこのプラットフォームの採用により大容量のバッテリーをフロア下に敷き詰めることが可能となり、低くフラットなフロアが実現できたからだ。

傑出したドライバーズカーとしての資質

とはいえ、ドライバーズシートがEQS SUVの特等席であることは間違いない。最高出力265kW、最大トルクは800Nmにも達するモーターは非常にパワフルで、ストップ&ゴーが続く街中から高速道路まで、大型SUVのボディをドライバーの意図したとおりに加速させてくれる。

重厚でなめらかな乗り味も圧巻だ。大型トラックが行き交う東北自動車道は所々路面が荒れているが、そんな際も秀逸なエアサスペンションが上質な絨毯の上を滑るがごとくスムーズにやり過ごしてくれる。

静粛性の高さも特筆すべきだろう。エンジンを持たない電気自動車はそもそも静かだが、それゆえ耳に付きがちな路面からのロードノイズやボディの風切り音もしっかり抑えられている。

風切り音の少なさには、フロントからリアエンドまで流れるような、EQS SUVのエレガントなフォルムも効いているのだろう。大型SUVでありながらCd値(空気抵抗係数)は0.26と一般的なサルーン並みの数値を実現しているという。

東北自動車道から日光宇都宮道路を経て、いよいよ日光の玄関口となる第二いろは坂にいたる。急傾斜の登り坂に20のタイトコーナーが次から次へと続く。まさに難所といっても過言ではない。

ドライブモードを「コンフォート」から「スポーツ」に切り替えて走り始めると、EQS SUVは、大型クルーザーからスポーツタイプのクルーザーに乗り換えたかのように俊敏に、そしてスムーズに急カーブを走っていく。これには、低速域でリアタイヤをフロントとは逆方向に最大10度ステアするリア・アクスルステアリングが奏功しているのだろう。まるでボディがコンパクトになったかのような感覚なのだ。

スポーツモードでは、アクセル操作に対するパワーの立ち上がり方も機敏になり、ドライバーは積極的にドライビングそのものを楽しみたくなる。このように、EQS SUVはドライビングシーンに応じてドライバーに求められる役柄を完璧に演じてくれる。その様はまさに手練の役者のようだ。

この日、日光一帯の空は厚い雲に覆われ、時折雨にも見舞われた。中禅寺湖の南側に伸びる中禅寺湖スカイラインを経て半月山展望台へ。そして中禅寺湖湖畔を北側へと戻り、フロントスクリーン越しに広がる雨に濡れた戦場ヶ原を楽しみつつ、「日本のロマンチック街道」たる国道120号を抜けて金精峠へ。

あいにくの空模様だったが、雨に濡れた木々の緑や、深い霧の切れ目から時折現れる山々の姿は幻想的ですらあった。そんな中をEQS SUVで走っていると、自然の懐に優しく包まれている感じがする。

ロングドライブも安心な航続距離

ワインディングロードでのドライブも楽しんだところでディスプレイを確認すると、残りの航続距離は帰路の180kmを余裕で上回る300km弱と表示されていた。これならば、道中のサービスエリアで充電する必要もないだろう。600kmにも迫る一充電走行距離を誇るゆえ、EQS SUVは現代における最先端のグランドツアラーとしての優れた資質も持ち合わせているといえるだろう。

ABOUT CAR

EQS 450 4MATIC SUV

メルセデス・ベンツが長年追求してきたラグジュアリーカーの理想形を、電気自動車でも実現したモデルがこのEQS SUV。大人7人がゆったりと快適に過ごすことができる上質なインテリア空間と先進的なエクステリアデザインのみならず、一充電で593km* 近い航続距離を走るパフォーマンスも魅力の一つ。

* WLTCモードでの一充電走行距離の数値。定められた試験条件のもとでの数値のため、お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)、整備状況(タイヤの空気圧等)に応じて値は異なります。電気自動車は、走り方や使い方、使用環境等によって航続可能距離が大きく異なります。
EQS 450 4MATIC SUV

※ 車両の仕様・装備は、撮影時点の仕様であり、日本仕様と異なる場合があります。