メルセデス・ベンツのラグジュアリーなEVモデル「EQS SUV」。全長5メートルを超える堂々たるサイズながら、サステナビリティと上質かつパワフルな走りを兼ね備えた、ラグジュアリーを極めた1台だ。そんなEQS SUVで、歴史と自然が調和する栃木県の日光へと向かった。新緑に包まれた山々が織りなす絶景と、日本でも有数のワインディングロードを堪能するために。

photos: Banko Gojo
words: Koichi Yamaguchi

“未来感”あふれる室内空間

ダイヤモンドステッチが施された上質なナッパレザーのシートに身を委ねると、インストルメントパネル全体がひとつのワイドスクリーンとなる革新的な「MBUXハイパースクリーン*」が眼前に広がる。ドライバー正面の12.3インチディスプレイ、センターの17.7インチタッチディスプレイ、そして助手席正面の12.3インチタッチディスプレイで構成されるそれは、機能性はもとよりデザイン性においても洗練された未来感にあふれている。

 * EQS 450 4MATIC SUVにパッケージオプション設定

さらに、左右それぞれに後席用ディスプレイが備わり(パッケージオプション)、Burmester®3Dサラウンドサウンドシステムがもたらす圧倒的なサウンドとともに、YouTubeやNetflixなどお気に入りのコンテンツを楽しむことができる。まさに走るホームシアターと化すのだ。

そして最後にこちらも注目の3列目シート。一般的に3列目シートは補助的に設定されている場合が多いが、EQS SUVのそれは、大人が十分に過ごせる空間が確保されている。これも、新たに開発された電気自動車専用プラットフォームによる恩恵だろう。前述のとおりこのプラットフォームの採用により大容量のバッテリーをフロア下に敷き詰めることが可能となり、低くフラットなフロアが実現できたからだ。

傑出したドライバーズカーとしての資質

とはいえ、ドライバーズシートがEQS SUVの特等席であることは間違いない。最高出力265kW、最大トルクは800Nmにも達するモーターは非常にパワフルで、ストップ&ゴーが続く街中から高速道路まで、大型SUVのボディをドライバーの意図したとおりに加速させてくれる。

重厚でなめらかな乗り味も圧巻だ。大型トラックが行き交う東北自動車道は所々路面が荒れているが、そんな際も秀逸なエアサスペンションが上質な絨毯の上を滑るがごとくスムーズにやり過ごしてくれる。

静粛性の高さも特筆すべきだろう。エンジンを持たない電気自動車はそもそも静かだが、それゆえ耳に付きがちな路面からのロードノイズやボディの風切り音もしっかり抑えられている。

風切り音の少なさには、フロントからリアエンドまで流れるような、EQS SUVのエレガントなフォルムも効いているのだろう。大型SUVでありながらCd値(空気抵抗係数)は0.26と一般的なサルーン並みの数値を実現しているという。

東北自動車道から日光宇都宮道路を経て、いよいよ日光の玄関口となる第二いろは坂にいたる。急傾斜の登り坂に20のタイトコーナーが次から次へと続く。まさに難所といっても過言ではない。

この日、日光一帯の空は厚い雲に覆われ、時折雨にも見舞われた。中禅寺湖の南側に伸びる中禅寺湖スカイラインを経て半月山展望台へ。そして中禅寺湖湖畔を北側へと戻り、フロントスクリーン越しに広がる雨に濡れた戦場ヶ原を楽しみつつ、「日本のロマンチック街道」たる国道120号を抜けて金精峠へ。

あいにくの空模様だったが、雨に濡れた木々の緑や、深い霧の切れ目から時折現れる山々の姿は幻想的ですらあった。そんな中をEQS SUVで走っていると、自然の懐に優しく包まれている感じがする。

※ 車両の仕様・装備は、撮影時点の仕様であり、日本仕様と異なる場合があります。