自動車誕生から140年という節目を迎えた2026年、メルセデス・ベンツは東京・表参道に新たなブランド体験拠点である「Mercedes-Benz Studio Tokyo(メルセデス・ベンツ ストゥーディオ トウキョウ)」を4月24日にオープンした。表参道に現れたこの新たなブランドストアは、「メルセデスの交差点」をコンセプトとし、伝統と革新、歴史とカウンターカルチャー、日本と世界など相反するものが交わる都市空間として機能する。メルセデス・ベンツのまったく新しい、開かれたブランド体験へ、ようこそ。

photos : Hiromitsu Yasui
words : Kazuhiro Nanyo

アジアでは東京が初の試み

去る4月24日、メルセデス・ベンツはラグジュアリーブランドが軒を連ねる、東京・表参道の交差点に新しいブランド体験施設「Mercedes-Benz Studio Tokyo」(以降、MBST)をオープンさせた。これは都市空間の中でメルセデス・ブランドの価値観や世界観を体感してもらうというグローバルな取り組みの一環で、これまでドイツのミュンヘンやデンマークのコペンハーゲンなどで展開されている。そしてこの東京のMBSTは、アジアでは初となる試みであり、2027年まで約1年間の期間限定でブランド体験の拠点として機能する。

では、なぜ今、表参道なのか? メルセデス・ベンツ日本で社長兼CEOを務めるゲルティンガー剛は、こう説明する。

「1886年、カール・ベンツが世界ではじめてガソリン自動車の特許を取得してから、今年で140年。この140年の歩みと今、そして未来を、より開かれたかたちで、街の中で体験していただく場所が、Mercedes-Benz Studio Tokyoです。表参道にはファッション、アート、デザイン、テクノロジー、そして新しいライフスタイルが集まり交わり、日々、新しい価値が生まれています。クルマという枠を超え、さまざまなカルチャーや感性とメルセデス・ベンツが出会い、交わり、新たな体験を生み出す場所。それがMercedes-Benz Studio Tokyoです」

まさにこれが、「メルセデスの交差点」と呼ばれる所以のメインコンセプト。「伝統と革新」に代表される、一見すると相反する要素を重ね合わせ、新たな先進の時代を切り拓いてきたメルセデスの思想は、MBSTの空間デザインにも色濃く反映されている。敷地内は「SHOW CASE」「CAFE」「LOUNGE」「TEST DRIVE」といった4つの異なるゾーンで構成されており、ポップでストリートライクな「表」の顔と、洗練されたジャパニーズモダンを感じさせる「裏」の顔という二面性を同時に実現しているのがもっともユニークな特徴だ。さらに足元に目を向けると全エリアをシームレスにつなぐ“交差点”を模したフロアデザインが施されており、多様なカルチャーが入り交じりながらも、メルセデスの世界観と美しく調和する空間が見事に構築されている。

また、場所は地下鉄・表参道駅に直近という、日本有数のラグジュアリー&ポップカルチャーの中心地。足を運ぶ人々が憩いのひと時を過ごしたり、待ち合わせにも便利なベンチやカフェを備えると同時に、メルセデスが140年の間に積み上げてきた、たゆまぬ技術革新による「先進性」「快適性」といったブランドバリューを五感で体感することができる。
アジアでは東京が初の試み

コラボスイーツや試乗体験も充実

このMBSTから発信されるコンテンツの中でも注目のひとつが、渋谷、原宿、中目黒などで行列の絶えない生ドーナツ専門店「I'm donut?」とのコラボレーションによる「Mercedes Café by I'm donut?」だ。「I'm donut?」は、ふわふわでとろけそうな食感のブリオッシュ生地を使った“生ドーナツ”で一躍話題となり、いまやスイーツシーンを牽引する存在。そんな人気店の味を、表参道のMBSTで楽しめるとあって大きな反響を呼んでいる。今後は、ここでしか味わえないコラボレーション限定メニューも登場の予定というから楽しみだ。

また、店内の照明には、メルセデス・ベンツに備わるインテリア同様のLEDシステム、アンビエントライトが用いられ、時間帯に応じて光の色や調光が変化する。これら新感覚のスイーツを、開放感のあるガラス張りの壁面が特徴の店内で、快適にくつろぎつつ楽しめるのも、MBSTならではと言えるだろう。 

さらに、選りすぐりのラインアップモデルが常に10台ほど用意されており、有効な免許証さえ携えていればメルセデス・ベンツの公式LINE上で予約を入れることで、気軽に試乗体験をすることができる。また、MBSTのオープンを記念して、実際に予約と試乗を行った先着500名の来場者に、メルセデスの歴代ロゴが記されたオリジナルのラゲッジタグをプレゼントするキャンペーンも開催している。好みのカラーのタグを選び、イニシャルなどを刻印するカスタマイズができる逸品だ。

加えて、5月1日より劇場公開される映画『プラダを着た悪魔2』とのキャンペーンで、「Mercedes-Maybach S-Class」が、同映画のティーザー映像とともに展示されている。劇中でメリル・ストリープ演じる、ミランダ・プリーストリーが“ファッション・アイコン”のひとつとして使用する車両だが、ジャパン・プレミア時のレッドカーペットでアン・ハサウェイが実際に乗り込んだ一台として馴染みのある読者も少なくないだろう。

さらに注目は、スタッフが着用する「Y-3 by Adidas」のユニフォーム・ウェア。機能的でありながらリラックスしたストリートスタイルで、Mercedes-AMG PETRONAS F1チームとのコラボレーション・コレクションとなっている。合わせて、敷地内の車両スペースでは、今年の鈴鹿グランプリを制したF1ドライバー、キミ・アントネッリと、チームメートのジョージ・ラッセルがデモ走行で駆った、Y-3 by Adidasとのコラボ仕様の「Mercedes-AMG GT 63 S E Performance Coupé」と「Mercedes-AMG GT 63 4MATIC+ Coupé」が展示されている。

歴史の象徴から「新型CLA」までを網羅

MBSTオープン当初の目玉となる車両展示は、メルセデス・ベンツ究極の新旧モデル、つまり「パテント・モトールヴァーゲン」と、夏以降に日本導入予定の「新型CLA」だ。前者は1886年製のオリジナルとメカニカル面で寸分たがわず再現されたレプリカ。後者は対照的に、デザイン、インテリジェンス、電動パフォーマンスのすべてで新たな基準を打ち立てた“ゲームチェンジャー”となる一台だ。メルセデス・ベンツ日本で営業企画部門ダイレクターを務める、サブリナ・アイケルカンプは、このクルマの特徴を以下のように語る。

「日本市場へは2026年夏以降の導入が予定されている新型CLAは、2025年の欧州における発売以降、多くのメディアやジャーナリストの皆様、そしてお客様からも高い評価をいただき、想定を上回るペースでご注文をいただいております。その評価はアワードの受賞歴にも現れており、新型CLAは欧州で『Car of the Year 2026』を受賞しました。メルセデス・ベンツとしては、1974年以来、52年ぶり2度目の受賞となります」

「さらに安全性においても、Euro NCAP(欧州新車評価プログラム)において最高評価となる5つ星を獲得し、2025年に試験された全ブランド・全モデルの中で首位となる『Best Performer』にも選ばれています。このような評価は、日本での発売を心待ちにしてくださっている皆様にとっても、大きな期待につながるものだと考えています」

この新型CLAの土台となるのが、新開発のプラットフォーム「MMA(メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャ)」だ。EVファーストの思想に基づいて開発された電気自動車(BEV)モデルは、85.5kWhのバッテリーを搭載して航続距離792km(欧州参考値)を実現するほか、EVならではのフロントトランクも備えるなど電動化時代を象徴する使い勝手が特徴。一方の内燃機関(ICE)モデルには、新開発の1.5リッター直列4気筒エンジンと電気モーターを組み合わせた48Vハイブリッドを採用している。BEVとハイブリッドを高次元で両立させることで、ユーザーのライフスタイルに寄り添う選択肢を提供している。

さらに新型CLAは、メルセデス・ベンツが自社開発した新しいオペレーティングシステム、MB.OSを初めて採用する次世代モデルでもある。この点についてもアイケルカンプは次のように力説する。

「デジタル体験の面では、MB.OSの採用により第4世代のMBUXも大きく進化しました。新型CLAは、AIベースの音声アシスタントと、Googleマップのデータにメルセデス独自のユーザーインターフェースおよび車両制御を組み合わせたナビゲーションを搭載。さらにOTA(オーバー・ザ・エア)アップデートによる継続的な改善により、CLAは購入後も進化し続けるクルマとなります。また、MBUXスーパースクリーンは進化した“ゼロレイヤー”(AIがドライバーの好みや走行パターンを学習し、必要な機能や情報をホーム画面上に自動で提示する)を備え、より直感的で使いやすいインターフェースを実現しています」

日本市場導入時には、流麗なクーペと実用性に優れたシューティングブレークのふたつのボディタイプに対し、それぞれBEVとICEがラインアップされるほか、特別仕様車として「Launch Edition」のリリースも視野に入れているという。

昨年のジャパンモビリティショーで日本初公開されて以来、数多くのドライバーが心待ちにしてきた新型CLA。MBSTの特設ステージに鎮座する欧州仕様の展示車両も、スリーポインテッドスターを散りばめたフロントマスクや洗練されたプロポーションを通して、表参道という華やかな街中でもその存在感を確実に解き放っている。

フルオープンは6月下旬を予定

今後は、メルセデス・ベンツの世界観をより深く体感するためのラウンジなど、施設全体と提供するコンテンツをさらに充実させて、6月下旬には待望のフルオープンを予定している「Mercedes-Benz Studio Tokyo」。新たなカルチャーや驚きが交差し、クルマという枠を超えるブランド体験施設として機能していく──。ショッピングやカフェ巡りの合間に気軽に立ち寄り、あなた自身の五感で、メルセデスの新たな試みが提供するブランド体験を堪能してみてはいかがだろうか。

ABOUT SHOP

Mercedes-Benz Studio Tokyo / メルセデス・ベンツ ストゥーディオ トウキョウ

「メルセデスの交差点」をコンセプトに掲げ、東京・表参道の地に誕生したメルセデス・ベンツの新たなブランド体験拠点。自動車誕生から140年の歴史を誇るメルセデスと、ファッション、フード、アートなどのカルチャーが交わり、新しい価値を発信していく試みだ。最新モデルの展示やLINEでの手軽な試乗体験予約、話題のコラボスイーツが楽しめるカフェなど、誰もが気軽に立ち寄りつつ、メルセデスが誇る唯一無二の世界観を体感できる。
Mercedes-Benz Studio Tokyo / メルセデス・ベンツ ストゥーディオ トウキョウ