メルセデス・ベンツの安全技術開発が本格的なスタートを切ったのは、いまから70年以上も前の1939年。開発部門内で、当時はその発想すらなかった「自動車衝突安全性」の研究に着手しました。その後、1969年には実際の事故現場に急行して事故原因を含めた様々な分析・研究を行う事故調査活動が始まりました。そして、現在までに4,200件以上もの調査を行い、ほかに代えがたい貴重なデータを数多く蓄積しています。「オフセット衝突」に対応する衝撃吸収構造ボディ、ABS(アンチロック・ブレーキング・システム)、ダブルファイアーウォールなど、数多くの安全技術がこの活動から開発されています。
また、それらの特許を独占せずに次々に無償で公開してきたのは、自社の自動車だけでなく、世界中の自動車の安全性向上を願うからにほかなりません。安全性は単なる技術ではありません。何よりも尊い人間の生命を、何よりも優先して守ることに全力を注ぐ、メルセデスの心そのものなのです。
安全の父「 ベラ・バレニー(Béla Barényi:1907 - 1997)」
安全の父「 ベラ・バレニー(Béla Barényi:1907 - 1997)」
人命にかかわる特許は、世界中の自動車の安全性向上を願って無償で公開しています。世の中にまだ「自動車の安全性」という概念すらなかった時代、ひとりの技術者がダイムラー・ベンツ社(1939年当時)に主任設計者として迎えられました。
彼の名は、「ベラ・バレニー」。
後に自動車の安全性向上の功績から「ミスター・セーフティ」と呼ばれたこの人物は、「エンジンよりも先に人間を」をモットーに、衝撃吸収構造ボディをはじめ、数々の安全技術を開発していったのです。
彼が会社に在籍した34年間に取得した特許は2,500件にも及び、メルセデス・ベンツはそれを独占することなく無償で公開。これは、それらひとつひとつの技術が、将来の自動車に欠かせないものであることを確信し、世界中の自動車が安全になることを真摯に願ったからでした。
メルセデス・ベンツ安全の歴史
メルセデス・ベンツ安全の歴史
- PRE-SAFE® ブレーキ:自動緊急ブレーキにより、衝突回避を支援または被害を大幅に軽減。
- アクティブブラインドスポットアシスト:危険な車線変更による側面衝突の防止をサポート。
- ディストロニック・プラス:速度に応じて先行車との適切な車間距離をキープ。
- ブレーキアシスト・プラス:衝突回避のためのブレーキ力をアシスト。
- アクティブレーンキーピングアシスト:ドライバーの疲労や不注意による 車線逸脱を防止。
年 | ことがら |
1939 | 開発部門内にパッシブセーフティの専門部門を創設。ジンデルフィンゲン工場で安全性研究開始。 |
1949 | セーフティ・ドアロックの特許を取得。
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1951 | 衝撃吸収構造ボディの特許を取得 |
1953 | 世界で初めて衝撃吸収構造ボディを採用したMB180を発表。 |
1957 | 二点式シートベルト(ラップタイプ)を設定 |
1959 | ジンデルフィンゲン研究所で初の衝突実験開始。 ステアリング・ホイール、インストゥルメント・パネルなどに衝撃吸収材を使用し、埋め込み式ドアハンドル、脱落式ルームミラーを採用したMB220を発表。
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年 | ことがら |
1967 | エアバッグの開発に着手。全モデルにセーフティ・ステアリング・システムを標準装備
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1969 | 開発部門に事故調査部を創設。 |
1970 | アナログ式ABS(アンチロック・ブレ-キング・システム)を発表。 |
1978 | デジタル式ABS(アンチロック・ブレ-キング・システム)を発表。
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1979 | オフセットクラッシュ対策がなされた世界初のモデル、Sクラスを発表。 全モデルの全シートにシートベルトを標準装備。 |
1981 | 歩行者に配慮したフロントバンパーを採用。 シートベルトテンショナー付三点式シートベルトと運転席エアバッグを世界で初めてSクラスに設定。 |
1985 | ADS(アダプティブ・ダンピング・システム)、 ASR(アクセレレーション・スキッドコントロール)、4MATICを発表。 |
1989 | オートマチック・ロールバーをSLクラスに採用。 ABS(アンチロック・ブレーキング・システム)、 リアフォグランプを全モデルに標準装備(日本仕様車)。
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年 | ことがら |
1991 | 全モデルに運転席エアバッグを標準装備(日本仕様車 |
1993 | 全モデルに運転席・助手席エアバッグを標準装備(日本仕様車)。 |
1995 | Eクラス、SLに運転席・助手席サイドバッグを標準装備。 世界で初めてESP®(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)を開発・発表。 Eクラスにインテグラル・サポートフレーム、ベルトフォースリミッターを開発・採用。
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1997 | BAS(ブレーキアシスト)を標準装備。 (Cクラス/Eクラス/Sクラス/SL/CL/CLK) チャイルドセーフティシートセンサーを開発・採用。 全モデルに運転席・助手席サイドバッグを標準装備(日本仕様車)。 |
1998 | ウインドウバッグ開発・採用。 Eクラスセダン/Sクラスにリアサイドバッグを標準装備。 |
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年 | ことがら |
2002 | SBC ®(センソトロニック・ブレーキ・コントロール)をEクラスに採用。 プレセーフをSクラスに採用。 |
2005 | NECK PRO(ネックプロ)アクティブへッドレストをCLSに採用。 アダプティブブレーキをSクラスに採用。COMANDシステムをSクラスに採用。
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2009 | アダプティブハイビームアシストをSクラス、Eクラスに採用。 アテンションアシストをSクラス、Eクラスに採用。 レーンキーピングアシストをSクラス、Eクラスに採用。 アクティブボンネットをEクラスに採用。
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年 | ことがら |
2011 | LEDインテリジェントライトシステムをCLSに採用。
レーダーセーフティパッケージをE クラスに採用。
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2012 | CPA(衝突警告システム)をBクラスに採用。
アクティブパーキングアシストをM クラスに採用。 |
2013 | 360°カメラシステムをGLに採用。 クロスウインドアシストをGLに採用。
CPAプラスをCLAクラスに採用。 レーダーセーフティパッケージをE クラスに採用。
PRE-SAFE®インパルスをSクラスに採用。
進化型ナイトビューアシストプラスをSクラスに採用。 SRSベルトバッグ&アクティブベルトバックルをSクラス(後席)に採用。 |
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