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| ページタイトルフォト:メルセデス・ベンツが世界で初めて開発したABSは、実に3,500万kmを超える走行実験の末に生まれました。1970年にアナログ式を、1979年にデジタル式を発表。1989年までに全モデルへの標準装備を完了しています。 |
| 「車をいかに止めるか」から「危険をいかに回避するか」へ。 ブレーキも安全の思想とともに進化してきました。 |
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「車をいかに止めるか」。それは、自動車が誕生したときからの大きな課題でした。 1886年にゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツがそれぞれに発明した世界初のガソリン自動車では、ブレーキシューを後輪のトレッド面にこすりつけるという、馬車と同様の方法を採用していました。 その後ドラム式が登場し、ブレーキシステムは大きな進歩を見せ始めますが、当時の目標は「車をいかに短い距離で確実に止めるか」に尽きるものでした。 その常識を大きく変えることになったのは、やはりメルセデス・ベンツでした。1970年に開発したABS(アンチロック・ブレーキング・システム)によって、「様々な局面で危険回避を可能にするためのブレーキ」 という新しいコンセプトを具現化したのです。 メルセデス・ベンツにおけるブレーキ技術開発の歴史。それは、「車をいかに止めるか」から「危険をいかに回避するか」への進化の歩みなのです。 |
| 「車をいかに止めるか」の時代。 |
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ドラムブレーキの時代に入ると、モータースポーツへの挑戦を背景としてメルセデス・ベンツのブレーキ技術は急速に進化しました。1935年、ドラムブレーキに冷却フィンを採用。1938年、2系統式バキュームブースター付パワーブレーキ試作実験。当時のサーキットでは、シルバーアローと呼ばれたメルセデス・ベンツの高性能マシンが、各国のグランプリレースで連戦連勝を遂げていました。 そして1951年、パワーアシストブレーキを標準装備。1954年、軽合金製ブレーキドラムと真空倍力装置を標準装備。さらに、1961年にはフロントディスクブレーキを、1963年には2系統パワーブレーキシステムを、それぞれ量産車に採用しました。 ガソリン自動車を発明した19世紀末から20世紀半ばにかけて、メルセデス・ベンツは、「制動力を常に安定して発揮させること」「ペダル操作力を低減し、確実なコントロール性を提供すること」を主眼とし、ブレーキ性能の向上に取り組んできました。その背景に、エンジン性能の飛躍的な向上があったことは言うまでもありません。「シャーシはエンジンよりも速く」という独自の理念は、ブレーキ技術開発において遺憾なく実行されてきたのです。 |
| 「危険をいかに回避するか」の時代。 |
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滑りやすい路面で。あるいは、突然現われた障害物を避けるためステアリングを操作しながら。こうした場合、制動力自体がいかに高くても、車を安定して止めることが難しいことは、当然のことながらわかっていました。しかし、それはどうしようもない不可抗力であると考えられてきたのです。 1970年、その常識をメルセデス・ベンツが変えました。滑りやすい路面などでの急ブレーキ時にもタイヤがロックしないよう、各輪の制動力を瞬時に自動的にコントロールするABSを開発したのです。総走行距離3,500万kmを超える走行実験を経て実現した、まさに画期的な安全技術でした。そしてこのABSが、フルブレーキをかけながらステアリングを操作して危険を容易に回避することを可能にしたのです。 |
| ひとりひとりの快適さに配慮する。 |
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一般的なドライバーを対象としたドライビングシミュレーターでの検証によって、いざというときブレーキペダルを思いきり踏み込むのをためらう場合があることがわかりました。これでは、いかにすばやく反応しても、ABSを備えていても、ブレーキ性能をフルに発揮させることはできません。 この問題に対応して、危険回避性能をさらに高めるべく開発したのがBAS(ブレーキアシスト)です。ドライバーがブレーキペダルを踏み込む速度をコンピューターが監視し、その速度が基準値を超えると急ブレーキ状態と判断してシステムが作動。ペダルを踏み込む力が不十分な場合などでも、ブレーキ圧を瞬時に最大限まで高め、より短い時間で減速するためのブレーキ作動をアシストします。 |